<パCSファイナルステージ:ソフトバンク4-2西武>◇第1戦◇3日◇福岡ヤフードーム
ソフトバンク和田毅投手(30)が、大きな白星をもぎ取った。ファーストステージ連勝突破で勢いに乗る西武打線を、7回4安打1失点。これまでポストシーズンで2度登板して勝てなかった相手を、思い通りの投球で抑え込んだ。開幕投手も務めぶっちぎりのリーグ制覇に貢献した左腕が、悲願のCS突破へこれ以上ない弾みをつけた。
クールで冷静沈着な和田が、珍しく雄たけびを上げた。2点リードの6回表。1死一塁で、代打阿部をチェンジアップで併殺に仕留めた。普段は感情を必要以上に表に出さないが「ヨッシャー!」と叫ぶと、ベンチへ戻ってきた野手と勝利を確信したようにハイタッチを繰り返した。
和田
あそこがポイントになる場面だと思って投げた。あそこで打たれたり四球を出すと、西武に流れがいく。ゲッツーを狙ってたし、狙いどおりにとれて自然と(雄たけびが)出ちゃいましたね。
抜群の球のキレだけでなく、クレバーさで100勝以上の白星を積み重ねてきた左腕。その頭脳をこの1戦でも生かした。7イニングで先頭打者の出塁はゼロ。ファーストステージは2戦とも自宅で録画し、すべてチェック。連勝突破で勢いに乗る相手だけに、先頭打者にはいつも以上に慎重に攻めることを心がけた。6回表は初めて1死から走者を許し、集中力を極限にまで高めてしのいだ。読み通り直後の6回裏に味方が2点を追加。リードを4点に広げ、試合を決めた。
「疲れました。今季投げた中で一番疲れた」
03年に第7戦で勝利投手になって以来、日本シリーズのマウンドに立っていない。しかも、西武は過去ポストシーズンで2度対戦し、1度も勝てていない相手。燃えないはずはなかったが、何が何でもこの試合で勝たなければいけない理由がもう1つあった。
セ・リーグCSファーストステージ第3戦でヤクルト赤川が白星をつかんだ。昨オフ「自分を変えたいんです」と自主トレの門をたたいてきた愛弟子だ。「正直、オフに最初に球を見た時は厳しいかなとも思ったけど、彼が頑張ったから」と、赤川は8月にプロ初勝利。それでも短期決戦の重圧を知るだけに、赤川のCS登板前には「大丈夫かな…」と父親のように心配していた。大仕事をやってのけた愛弟子を「おめでとう」と祝福すると、自身のマウンドにかける気合はさらに高まった。
エースの好投でチームは04年以来となるポストシーズン初戦白星をつかんだ。「和田が仕事をしてくれた」と秋山監督。和田が7度目の正直へ、チームを大きく前進させた。【倉成孝史】



