春季キャンプに執念で間に合わせる!!

 左膝を負傷して全力疾走ができない広島梵英心内野手(31)が来年2月の1軍春季キャンプに全快のメドを設定した。6日、広島・廿日市市内の大野練習場で練習を実施。来季の遊撃争いには今秋ドラフト2位の中京学院大・菊池涼介内野手(4年=武蔵工大二)らも参戦するが、万全の肉体に仕上げて、実力を知らしめる。

 勝負の時を見据えて、いまは黙々と左膝のリハビリに励む。梵は屋内練習場で、約40メートルの距離でキャッチボールを実施した。ときおり、腰をかがめて、捕球する姿勢から、そのまま送球する動作を繰り返した。まだ患部は万全ではない。ティー打撃でも強く振り抜くことなく、感触を確かめるだけ。はやる気持ちを抑えながら、回復を待つ。

 梵

 すぐに良くなるものでもないですから。いまは少しずつ、できる範囲でやっていくしかない。体のなかのことなので(回復ペースも)分からないですね。

 昨季はチーム唯一の全144試合に出場し、打率3割6厘。43盗塁を決めて初タイトルに輝いた。今季も飛躍を期待されたが、6月29日阪神戦(福井)で暗転。5回に自打球が直撃して途中交代した代償は大きかった。「左膝膝蓋(しつがい)骨骨挫傷」と診断され、長期離脱を強いられた。8月23日のウエスタン・ソフトバンク戦で実戦復帰したが、ほどなく痛みが再発。1軍再昇格せずに、シーズンを終えた。

 すでに軽いランニングを行うが、本格的な練習再開に至っていない。梵は「来年のキャンプには間に合わせないといけない」と言い、ペースを上げてでもと問われると「そうなると思う」。キャンプまで3カ月。多少オーバーワークになっても、間に合うようペースアップする覚悟だ。

 今秋ドラフトでは、中京学院大・菊池を指名。新たな敵が現れたが「僕は、自分のやれる準備をするだけ」と話す。肉体を万全に整え、レギュラーの圧倒的力量を見せつける。【酒井俊作】