<日本シリーズ:中日0-5ソフトバンク>◇第5戦◇17日◇ナゴヤドーム

 秋山監督と主将小久保。2人の絆が、ソフトバンクを頂点に導こうとしている。小久保裕紀内野手(40)が連夜の決勝打だ。1回1死一、三塁で先制の左前適時打。前夜と同じ状況でまた打った。4番復帰した15日に4打数2安打。前日も4打数2安打。10月に40歳になったベテランが輝きを増している。

 小久保

 1発目のチャンスをものにできてよかった。…昨日と同じコメント!

 秋山幸二監督(49)はベテランの経験がカギを握ると踏んでいた。「やっぱり経験って大きい」と話していた。福岡で連敗発進し、小久保を5番から4番昇格させ、敵地ナゴヤドームで3連勝だ。

 12年前、福岡移転後ホークス初の日本一をもたらしたのが、プレーヤー秋山の経験だった。ダイエー時代の99年、中日との日本シリーズ。王監督(当時)は西武で場数を踏んできた主将秋山を1番に据え、大舞台に臨んだ。37歳だった秋山は先頭打者弾を含む2本のアーチとスーパー守備で、日本シリーズ史上最年長MVPを獲得した。

 時を経て、秋山監督から主将を託された小久保が、日本一へのけん引役だ。グラウンドでは、経験の少ない選手のよりどころ。この日のプレーボール直前。小久保は異例の行動に出た。1球も投げていないマウンドの山田のもとに足を運んだ。「育成から、ここまで来たのは、お前が頑張ったから。思い切りいって、楽しめ」。育成出身サウスポーの緊張の糸をほぐした。

 「土曜日(19日)に一気に-」。飲み込んだ言葉は「日本一」。全身全霊をこめ、その3文字をつかみにいく。【松井周治】