来年は金本さんになる!?

 阪神新井貴浩内野手(34)が5日、ユニークな来季目標を掲げた。大阪市の朝日放送で情報番組「キャスト」に出演。「来年は記録より記憶に残る選手になりたい」とあらためて、理想とする選手に「05年にMVPを取った金本さん」を挙げた。

 今季プロ初の打点王を獲得したが満足はしていない。得点圏打率は3割5厘で勝利打点はチーム最多の13。だがリーグ最多20併殺など「ここぞで仕事ができなかった」と分析している。目標は「ファンの方やチームメートがここで打ってくれと思っている時に打てる」スーパーマンのような打者。そして05年のアニキをフラッシュバックさせた。

 その年、金本は不動の4番として岡田阪神の初優勝を導いた。打率3割2分7厘、40本塁打、125打点と3部門で自己ベストを更新。中でもチームの危機を何度も救ったここ一番での打撃が印象深く、岡田監督に「優勝はカネのおかげ」と言わしめた。そんな4番になりたい。阪神移籍4年間で2度惜しいV逸があり、思いは一層強くなった。

 「08年も10年も僕があと1本、記憶に残るヒットを打てていれば優勝できていた。僕が記憶に残る一打を積み上げていけば優勝できるし日本一にもなれる。もっと勝負強くならないと」

 準備も進めている。今季は不安定な三塁守備から打撃を崩すこともあった。8月26日ヤクルト戦では、9回に守備固めを送られ、連続フルイニング出場が386試合で止まる屈辱も味わった。送球難を克服すべく、甲子園では肩回りの柔軟性を回復させるトレーニングを続行中だ。

 「外れる時は自分が悪い時。でも、常に必要とされれば外れることもないのですから」。虎の4番三塁で初のフルイニング出場に再挑戦。そして、金本がもたらせたあの熱狂、興奮をもう1度再現する。【松井清員】