日本ハムに復帰した前横浜のターメル・スレッジ外野手(34)がV奪還のキーマンになる。09年リーグ制覇、日本シリーズ進出の立役者となった左の大砲は「引退する前に、もう1度ファイターズでチャンピオンリングを手にしたいんだ」と意気込む。

 昨年は鼠径(そけい)ヘルニアのため、シーズン途中の9月に米国へ帰国。故障具合が心配されたが、昨年11月にはすでにバッティング練習を再開するなど、回復は順調そのものだ。「ここ数年、スピードとパワーの両方をうまく打撃に反映することが出来ていないと感じていたので、瞬発力を高める練習を心がけてきた。爆発力が出てきたし、故障する前以上の状態」。入団が決まってからは、DVDで3年ぶりの対戦となるパ・リーグ投手陣を熱心に研究するなど、古巣復帰への準備を怠らない。

 昨季2位の日本ハムだが、逆転勝ち22試合は5位楽天、6位ロッテと並び最下位だった。本塁打数もワーストの91本。緊迫した試合では、投手陣に掛かる負担が自然と増えた。スレッジといえば、楽天との09年クライマックスシリーズ(CS)第2ステージ第1戦で放った、逆転満塁サヨナラ本塁打が記憶に新しい。勝負どころでの一発長打は、大きな力となる。

 「打順にこだわりはないし、新監督の色に染まれるよう与えられた役割を果たしたい」。頼もしい背番号10の復活が、チームを3年ぶりのリーグ制覇へ導く。