監督にまさかの“節酒指令”が言い渡された。DeNAの高田繁GM(66)が6日、中畑清監督(58)に「キャンプに入ったら酒の量は減らさんと。このままいったら体が持たんよ」と珍命令。選手相手ならともかく監督に向けては前代未聞。その心は、“広報部長”として、新球団のアピールに努めてきた新監督の体調面を危惧した親心だった。

 就任以来、イベントや激励会に引っ張りだこの中畑監督。酒席も多く、マイクを握れば自慢ののども披露した。高田GMの心配もごもっとも。しかし中畑監督も2月1日から勝負師に徹する決意をしっかり持っている。「ユニホームと普段は精神的にも変わる」と、キャンプ地宜野湾に降り立った瞬間から、スイッチを戦闘モードに切り替える覚悟だ。

 「体のことを一番考えている。元気な姿で選手たちと勝負しないといけないからね」。9日からはキャンプに備えて自主トレを開始予定。力の発揮場所を宴席からグラウンドに変えるための準備に取り掛かる。

 この日は36年住む東京・調布市による監督就任セレモニーに出席。同市の宣伝本部長に任命された。「心底体の中から汗をかく選手がいたら、間違いなくファンはついてきてくれる」。期待の大きさを実感するからこそ、今度は選手相手に声を張って汗をかく。【佐竹実】