日本ハム田中賢介内野手(30)が“定位置”を継続し、新指揮官とチームメートとの橋渡し役になる。12日、沖縄・宮古島で吉川らと行っている自主トレを公開。昨季までと同様、試合中のベンチでは、三塁側なら向かって左隅最前列、一塁側なら右隅最前列の監督の真ん前に座る意向を明かし、栗山新監督のつぶやきや会話に聞き耳を立てる。

 田中

 監督の考えが分かりますからね。どういう野球がやりたいのかというのをつかめる。自分は一番理解しなきゃいけないポジションでもあるし、早く把握したいというのはあります。中心となる選手は分かっていた方がいい。(仲間とは)そういう話もしたい。

 田中は梨田監督時代にも、常に指揮官の真ん前に腰を降ろしてきた。「会話したりすることもありましたよ」。ノムさんの前に座った古田敦也氏が、厳しい説教を受け、ぼやきに聞き耳を立ててID野球を頭にたたき込んだのは有名な話。一番身近で接することで、監督の理想とする思考を理解し、自身のプレーに生かすとともに、機会があればチームメートとも共有するつもりだ。

 昨年6月に骨折した右足かかとは、完治こそしていないが、通常メニューをこなすには支障のないレベルまで回復している。この日もランニング後、キャッチボール、ノック、ティー打撃、フリー打撃をこなし、その後ウエートトレと日が暮れるまで汗を流した。「(昨季後半を)休んだ分、体調はいいですね。思い通りに(練習が)できています」。チームの優勝と首位打者獲得を目指す新シーズン。選手会長の職は外れても、田中の存在感は大きい。【本間翼】