日本野球機構(NPB)は26日、日本代表が台湾代表と戦う「東日本大震災復興支援ベースボールマッチ」(3月10日、東京ドーム)の代表メンバー24人を発表した。

 侍ジャパンに日本ハムから選ばれた斎藤佑樹投手(23)、中田翔内野手(22)にとって、親善試合はただのチャリティーマッチではない。開幕20日前という大切な時期。それでも栗山監督は「現場を預かる人間としては(ケガなどの)怖さは当然出てくるけど、そこでガムシャラにやってくれるタフさがないと、チームを引っ張ることはできない。(全力でやる)マイナスはないと思っている」と、公式戦同様の全力プレーを課すつもりだ。

 国際舞台での経験は、成長の糧となる。斎藤は高校、大学と日本代表に選出され、高いレベルの中で技術を磨いた。中田も09年のU-26NPB選抜で犯した走塁ミスは、今でも教訓となって胸に刻まれている。どちらも、全力でプレーしているからこそレベルアップにつながっており、中田は「自分にできることを精いっぱい表現できるよう、一生懸命プレーしたいと思います」と誓った。

 復興支援試合として被災者が招待される一戦でもある。栗山監督は「プロ野球というのは、ファンに愛されて成り立っている」と言う。そのファンが注目しているのが、楽天田中と斎藤の豪華リレーだ。実現の可能性も高く、全力プレーで応えることが、選手としての義務。斎藤も「日の丸を背負ってプレーできるのは本当に誇りに思います。アマチュア時代に経験していますが、プロでもこうした機会を与えていただき素直にうれしいです。出るからには100%の状態で戦えるよう、しっかり準備します」。指揮官の意図は、しっかりと理解している。

 理想は2人が、ジャパンの「エース」と「4番」になること。栗山監督は「そういう素材だし、そこを目指してほしい。中心でやれる力はある。オレがチームを引っ張るという思いでやってほしい」とエール。選手としてひとまわりもふたまわりも成長するために、どんなときでも“手抜き”は許さない。【本間翼】