投手キャプテン、大忙し!!

 阪神藤川球児投手(31)が27日、沖縄・宜野座での合同自主トレに合流し、精力的に若手にアドバイスした。自らのトレーニングを中断して、鶴直人投手(24)らのブルペン投球をチェックする熱の入れよう。参加メンバーの中で最後まで施設に残るなど「練習&助言」の2役をこなした。

 リーダーシップにあふれる行動だった。合同自主トレで独自のメニューを止めて、藤川がブルペンに足を運んだ。捕手の後ろに立ち、腕組みして鶴の投球を見守った。切れのある回転で伸びていく球筋を確認すると声を掛けた。

 「シュート回転がなくなっている。数をこなして考えてやれば(レベルも)上がってくるやろ」。熱心に指導した愛弟子への助言だった。

 投手キャプテンとして自覚十分だ。この日は午前11時ごろから練習を開始した。ともに自主トレを行ってきた筒井の投球をネット越しに確認し、いったんはランニングに向かった。広い敷地内だが、ブルペン投球を見渡せるコースを何周も走ることで、鶴の投球順を待った。さりげない行動に責任感が出ていた。

 藤川

 せっかく一緒にやっていたわけだから。(鶴の)課題点は分かっている。僕が見て、よくなった感じが鶴にはあるからね。

 1月中旬には宜野座で鶴らと一緒に自主トレを行ってきた。投球動作の欠点を指摘し「球、いきなり速くなるんじゃないかな。僕から見たら技術的に間違った方向になりがちだった」と大化けの期待を寄せていた。幅広い視野で気を配る。プロ入り初のキャンプを控えるドラフト4位伊藤和にも「飛ばしすぎるなよ」とアドバイスした。和田監督からの投手キャプテン指名にこたえるように、周囲をサポートした。

 大忙しとなったが、自身の練習にも妥協しない。遠投、ゴロ捕球、筋力トレーニング、坂道ダッシュ…。大粒の汗を流し、顔をゆがめた。球場を引き揚げたのは参加メンバーで最後だった。以前「自分の練習も課題を持ってやる。(若手も教えるし)それだけ、2倍の努力が必要」と話していたが、まさに1人2役。「みんな元気そうだった。岩田も元気そうで安心した。切り詰めてやっても、この時間。僕も焦って練習します」。エネルギッシュに動く球児キャプテンが、チームを底辺から支える。【酒井俊作】