阪神に、大河ドラマ「平清盛」にあやかっての“集客アップ作戦”が浮上した。27日、大阪市内の阪神電鉄本社で定例のオーナー報告が行われた。坂井信也オーナー(63=電鉄本社会長)は「年間予約(シート)などの報告も受けた。若干、頑張らなければいけない数字だと思う」と、営業面での奮起を期待した。

 昨季はBクラスの4位に終わったこともあり、本拠地の観客動員数が3年ぶりに300万人割れした。今季の年間シート予約状況も不況の影響などが重なり、例年よりもやや少ない数字だという。そこで浮上したのがNHK大河ドラマ「平清盛」にあやかるプランだ。

 平清盛は現在の神戸市にあたる場所に遷都(福原京)を行っており、阪神がフランチャイズとする兵庫県とは縁が深い。球団首脳は「いろいろな案を考えてはいるが、そういうのもあるな」と話した。主人公・平清盛を演じる人気俳優松山ケンイチ(26)についても「松山さんは野球はどこのファンなのかな?」とにやりとして関心を寄せた。球団営業部では、すでにさまざまな企画シートを用意するなど新たなファンサービスを考案している。その一環として、平清盛あやかりプランが検討されるかもしれない。サンバじゃない“マツケン”が甲子園に参上する?【鈴木忠平】

 ◆大河ドラマ「平清盛」を巡る話題

 松山ケンイチ主演。8日放送の初回の平均視聴率は関西地区18・8%で過去3番目の低さだった。兵庫県井戸敏三知事が10日の記者会見で「画面が汚い。チャンネルを回す気にならない」などと批判。11日には県に発言を批判する電話やメールが312件も寄せられた。磯智明チーフプロデューサーは「汚いと思われるかもしれませんが変更の予定はありません」と平安末期の時代感を出す演出の継続を説明。金田放送局長は「話題になることはよいこと。(批判は)見てもらった証拠なのでありがたい」などと話した。