ポスト・チェンを育成せよ。主に2軍を担当する中日今中慎二投手コーチ(40)が3日、1軍・北谷キャンプを訪問し、“巡回コーチ”として大野雄大投手(23)、岡田俊哉投手(20)、小川龍也投手(20)の左腕トリオを指導した。

 3人のブルペンをじっと見守る。大野には「前足の踏ん張りがあればもっと良いボールが投げられる」、岡田には「足が伸び上がるのが早い」と立て続けに欠点を指摘。小川には「(セットポジションで)軸足が曲がってるけどなんの意味があるの?」と疑問を投げかけて考えを促した。

 「見てないのにどうこう言いたくなかったから。まあ、普通だね。まだ3日目だからこの時点で悪く見えるようではダメ。俺は余分なことは言わないよ」

 甘い言葉は一切ないが、独特の言い回しで若手投手陣を評価した。権藤投手コーチと入れ替わる形での巡回は今日4日まで。90年代の中日を引っ張った名投手が、いきなり指導力を発揮した。【桝井聡】

 ◆今中慎二(いまなか・しんじ)1971年(昭46)3月6日、大阪府生まれ。大阪桐蔭から88年ドラフト1位で中日入り。1年目から1軍で活躍し2年目には10勝6敗。93年には17勝7敗、防御率2・20で最多勝、最多奪三振、沢村賞を獲得した。山本昌と左腕2枚看板で、90年代の中日をけん引。通算91勝69敗5セーブで01年引退。今季からコーチ。