狙い通りの放物線を、右方向へかけた。日本ハム鵜久森淳志外野手(25)が12日、阪神との練習試合の8回、投球に逆らわない理想的なスイングで右翼席へ本塁打を放った。「右に大きいのを打てたら楽だろうなと思ってやってきた。このオフ、ずっとやってきたことが出せました。うれしかったです」。自画自賛の1発は、栗山新監督への強烈なアピールになった。

 今オフは同郷の先輩、楽天岩村らと自主トレを行った。取り組んできたのが、右方向への強い打球。もともと長打力のある打撃に、うまさも加わった。

 魔法の一言もあった。6回の第3打席は、体が前に突っ込んで空振り三振を喫していた。ベンチに戻ると栗山監督から「ボールとの距離を取っていこう」とアドバイスされた。「あぁ、そうやなって思った」。意識を持って臨んだ次打席で、すぐに結果を呼び込んだ。

 今キャンプは第1クールでインフルエンザに感染し、宿舎静養を余儀なくされた。「状態が良かったから、悔しかった。でも、体調を崩したから打てないでいいわけない」。8日に復帰すると、居残り練習でひと一倍汗を流してきた。「みんながライバル。勝ち残っていかないと」。海を渡った同期生ダルビッシュに負けないように、確固たる地位を確保する。【本間翼】