日本ハム増井浩俊投手(27)が栗山英樹新監督(50)の絶大な信頼を受け、今年もセットアッパーとして「8回」を任される。ダルビッシュの米大リーグ、レンジャーズへの移籍により、先発再転向もささやかれた。本人も十分に想定していたが、名護キャンプ序盤に指揮官から直接伝えられた。「今年も中継ぎで頼む」。

 増井は「余計な考えがなくなりました」と、スッキリした状態で3年目のキャンプを過ごしている。地味な役回りだが、やりがいを感じている。昨年、初めて守護神の武田久につなぐ役割を担った。56試合に登板し、パ・リーグ3位の34ホールドを記録した。「後ろ(中継ぎ)の方が楽しいと感じている。真っすぐだけで、けっこういける」と自信がついた。150キロを超える速球と、鋭く落ちるフォーク。短いイニングを投げる中継ぎでは特に有効的だった。

 栗山監督は「増井を作るのは大変」と、唯一無二の存在と認めている。指導者の経験がなく、采配も初めての新人監督にとって、勝敗を左右する終盤に、計算できる投手を配置できるのは何よりの心強さだ。

 増井も「8、9回で投げている投手に負けたくない」と準備する。オフは年末年始を故郷の静岡・焼津で過ごした後、2軍施設のある千葉・鎌ケ谷でじっくり調整してきた。1年目に不安のあった右肩も「最高にいい。そんなに心配していない」と万全。50試合以上登板が最低目標と定めた3年目。セットアッパー2年目のジンクスも快速球で打ち破る。【木下大輔】