阪神のドラフト1位伊藤隼太外野手(22=慶大)が14日、練習を早退した。右手首のガングリオン(良性腫瘍)の穿刺(せんし)処置で、広島との練習試合にフル出場した後、沖縄市内の病院へ向かった。明日16日からの練習内容は当日の様子を見て決めると球団が発表した。

 初実戦で2安打デビューを果たすなど順調だった即戦力新人に不安要素が浮上した。伊藤隼はこの日も「1番中堅」でスタメン出場した。3打数無安打で迎えた第4打席では広島大島からプロ初の死球を右臀部(でんぶ)に受けた。最終回の打席は空振り三振。2安打で華々しくデビューした12日の初実戦とは対照的に4打数無安打と悔しい結果に終わった。

 試合後は「いろいろな投手と対戦できていることで、いい経験ができている。ポジティブにとらえていくしかない」と気持ちを切り替えていた。その後、他の選手は宜野座球場へ戻って練習を行ったのに対し、伊藤隼は病院へ向かった。

 ガングリオンは治療しなくても消失することがあるが、痛みがある場合は注射器で粘液を吸引するのが一般的だ。手術で除去した場合には、復帰まで時間を要するケースが多い。ただ、くしくも伊藤隼と同じ右投げ左打ちで長く阪神の4番を務めた掛布氏も現役時代に右手のガングリオンに悩まされた。伊藤隼の場合は手術ではないため、動きに影響がないことも考えられるが、詳細は経過を見なければわからない。開幕へ向けてひた走ってきた注目ルーキーに心配の種ができた。