正捕手・藤井彰人捕手(35)の故障というアクシデントに見舞われた和田阪神が“総動員態勢”で非常事態を乗り切る。和田豊監督(49)が2日、1軍に帯同する3人の若手捕手に正捕手を狙う覚悟を求めた。

 同監督は「藤井が間に合わないって決まったわけじゃないんで。ただ、キャンプでは3人でやってきたわけだし、これからは均等にというよりは、絞って使っていくことになる」と話し、解決策の1番手に若手捕手3人の成長を挙げた。

 候補は第2捕手争いを繰り広げていた小宮山、清水、岡崎の3人。ここからは「1番手」の座をめぐって、結果主義で起用されることになりそうだ。さらに首脳陣は1試合を複数捕手でまかなうプランも描いている。

 一方で、万が一の事態への備えも始まった。この日、甲子園の屋内練習場で行われた練習では浅井が捕手の練習を行い、2軍では外野手に転向した中谷が、再びマスクをかぶってブルペンで球を受けた。同監督は「そういう可能性も含めてね。浅井とか狩野とかはできるわけだから」とも付け加えた。あくまで「捕手」という計算はしないが、捕手経験を持つ選手たちも含めて“総動員態勢”を敷く。扇の要にあいた穴。残り1カ月間、総力を挙げて埋めていく。【鈴木忠平】