<オープン戦:阪神1-0広島>◇20日◇レクザム

 阪神ドラフト1位伊藤隼太外野手(22=慶大)の開幕1軍に光明が差してきた。広島戦で左前打を放ち、決勝点のホームを踏んだ。早めに軸足の左足に体重を乗せて、間を取る新フォームで結果を出した。

 6回の2打席目、広島大竹の甘く入ったスライダーを打ち返した。「来た球になんとか食らいつきました」と振り返った。低迷脱出の手がかりをつかみつつある。前日19日に「球の見え方が良くなってきた」と明かした言葉を実戦で証明。「そう言ったからには打たないといけませんから。ジョー(城島)さんにもイジられました」と笑った。

 片岡打撃コーチも「(良くなったと)自分で思えることが大事。1日(ヒット)1本から打席に余裕が生まれる」と目を細める。

 マートンが開幕絶望的となり、外野陣が手薄になった。チームにとっては痛手だが、伊藤隼にとってはチャンスが広がったとも言える。それでも緩まない。1打席目はバリントンに手玉に取られ空振り三振。「1本出たけど、まだまだです」。失敗も成功も、すべての経験を糧に、開幕1軍を目指す。【高垣誠】