ホップ、ステップ、ジャンプよ!

 オリックス岡田彰布監督(54)が、就任3年目の優勝に自信をみせた。開幕のソフトバンク戦(福岡ヤフードーム)を翌日にした29日、敵地で練習。契約最終年に向けて「最終的には優勝が目標」と言い切った。フィガロが代役で開幕投手を務めるスクランブル態勢でも揺るぎはなかった。

 岡田監督の言葉によどみはなかった。12年シーズンの開幕を翌日に控え、今オフから公言してきた「優勝」の2文字をあらためて口にした。

 岡田監督

 最終的には優勝が目標。長いシーズンは波はあるが、波をなくして常に同じような戦い方をして。戦力が充実して、先発なら誰が投げてもある程度ゲームが作れる、野手なら誰かが不調でも代わりに誰かが打つと。そういうチームになった。

 契約最終年となる節目のシーズン。李大浩、ミンチェ、高橋信、そして前日28日に入団した井川。昨季勝率1毛差で4位に泣いたチームは変わった。「1年を戦う1軍の戦力は40人ぐらい」という持論を持つが、層の厚さにも自信を持つ。

 3・30開幕までの道のりは平たんではなかった。エース金子は腰の張りで、寺原は右太もも裏痛で出遅れて開幕を回避した。代役は来日2年目のフィガロとなった。それでも「明日で(シーズンが)決まるなら無理やり金子やけどな」と計算違いを明かせる余裕もある。

 過去2年は、大きな声で「優勝」を口にしなかった。就任1年目の10年は大衆浴場の料金設定になぞらえてチームを「中人(ちゅうにん)」と評した。大人と小人の中間という意味。シーズン中は優勝を「アレ」と言い換え、選手に意識させないよう気を配った。2年目の昨季開幕前日は「新・黄金時代へ」のキャッチフレーズを引用し「『へ』のスタートの年」と言った。機が熟した今季。「楽しみや、どうなるか」とニヤリ笑った。【益田一弘】