DeNA中畑清監督(58)が、ノーモア・マエケンに向けて「10球ファウル指令」を出した。巨人戦が雨天中止となった14日、チームは室内練習場で練習。フリー打撃を見守った同監督は「1人10球ファウルの単純計算でいけば、パワー投手も攻略しやすくなる。1回のファウルで、もう1度チャンスがもらえる。そういう粘っこい野球をやれたら最高。粘っこい野球がうちの原点」と力を込めた。

 本拠地で続くゼロ行進を何とかして克服しないといけない。ここまでの本拠地6連敗のうち、5敗が0封負け。6日広島戦では前田健にノーヒットノーランを食らい、13日巨人戦では、沢村の前にあわや2度目の、1安打に封じられた。球威あるパワー投手の前に強振を繰り返す姿。中畑監督は力勝負を挑むのではなく、粘って耐えて食らいつき、失投やたとえ四球でも出塁する、諦めない「せこさ」を求めた。

 10球ファウルすると言っても簡単なことではない。同監督は「ボールについていけない状況が極端」と、打線の力不足を認めるだけに、この日の打撃練習では「速い球にどういうスイングが要求されるかアドバイスしてきた」。速球に対してコンパクトに対応するために、バットが外回りせず、体の近くを通す、最短距離でのスイングを指導。「9人でそういう形を作って、いやらしい空気を作らないと。洗脳しようと思ってるよ」と、“マインドコントロール”するぐらいの繰り返し指導で、基本を徹底させ、現状打破を図る。

 練習後には、今日15日の巨人戦が行われる新潟へ移動。相手先発は2年目の宮国だけに、ファウルで粘って球数を増やせば、スタミナはもちろん、ペースを乱して「せこいぜ野球」に持ち込める可能性も高くなる。中畑監督は「新潟の酒をじっくり飲みたいね」。本拠地初白星は雨でお預けとなったが、まずは主催試合で古巣からの初勝利を目指す。【佐竹実】