<広島4-6ヤクルト>◇28日◇マツダスタジアム

 傘がない~けど、笑顔は満開だ。昨季の本塁打王、ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(27)が1点を追う9回に値千金の6号逆転3ランを放った。本塁打を打つと、本拠地神宮ベンチではミレッジとともに小型ビニール傘を手にファンと一緒に「東京音頭」を踊るのが恒例だが、マツダスタジアムには傘がない。「エア音頭」で喜びを爆発させた。

 それもそのはず。1点リードの8回に中継ぎ陣が2失点し、逆転負け寸前だった。9回1死一、三塁で打席に立つと「外野に飛ばせば同点になると思った。つば九郎がいなかったから、傘がなかったんだ」と笑った。劇的勝利で、昨年9月以来の6連勝。首位をがっちりキープした。

 広島ミコライオは、マリナーズ時代の同僚だった。「ナイスガイなんだ」というが、初球のスライダーを強振。私情は挟まず、勝負に徹した。

 昨季は本塁打王に輝いたが、後半戦の不調と、お調子者の性格で開幕2軍の危機だった。守備や走塁のミスで、いつも小川監督に怒られるが、こんな1発を見たらたたえるしかない。試合前夜は広島市内の焼き肉店でカルビパワーを注入。4月の月間MVPを確定させる1発に、ヤクルトベンチの興奮は最高潮だった。【前田祐輔】