<西武2-4ロッテ>◇5日◇西武ドーム

 ロッテ唐川侑己投手(22)が修正能力の高さを発揮し、リーグトップタイの5勝目を挙げた。今季初の中5日で、立ち上がりは制球が定まらなかった。初回にいきなり1死二塁のピンチを招き、中島に初球、高め直球を左前打されて1点を先制された。しかし、2回以降は失策による1失点のみ。ここに唐川の成長があった。

 「初回は慎重に行きすぎた。2回以降は投げている中でいろいろ試しながらやった」。調子が悪い時、唐川には大まかなチェックポイントが5項目ある。(1)右足にしっかり体重を乗せて立つ(2)下半身から始動(3)下半身の体重移動(4)腕の先からではなく、肩、肘、手首の順番に腕を振る(5)それでも修正できない場合は、腕の位置を変えるなど全く違う投げ方を試す。

 この日はチェックポイント(1)を適用して立ち直った。「立った時に後ろ体重になっていたから、右足の親指の付け根に体重を乗せるように修正した」。武器である球持ちのいいボールを投げるには、右足にしっかり体重を乗せないと体の開きが早くなってしまう。体重を前に乗せるよう微調整したことで、肩が開かなくなり、腕が振れた。

 西本投手コーチは「3回くらいから良くなった。ワンポイントアドバイスすると、すぐに修正できる勘のいい選手」と言う。この日は初回が終わって「ちょっと(始動が)早いな」と指摘したことで、6回2失点にまとめ上げた。

 高校時代は調子が悪い時、登板前のブルペンで球数を投げることで修正していた。だが、週に1回登板するプロで同じ方法をとれば体への負担が大きすぎる。「昨年くらいから徐々に修正方法の引き出しが増えていった。最近は立ち上がりが悪くてもあたふたしなくなりました」。

 これで西武戦は10年8月以来無傷の7連勝。唐川の抜群の安定感でチームは首位に返り咲いた。【鳥谷越直子】