<日本ハム3-2オリックス>◇6日◇札幌ドーム

 日本ハムの新ストッパー増井浩俊投手(27)が、細腕を思い切り振って、新たに与えられた任務を遂行した。「1人、ランナーが出ただけでドキドキした」。9回、先頭の李大浩に右前打を許した。リードは1点。バルディリスを149キロ直球で投ゴロ併殺に仕留めるなど、14球中11球直球で押して、プロ初セーブをマークした。

 2日に武田久が右膝の故障で離脱し、増井に大役が回ってきた。「中継ぎの時と同じ気持ちで投げられれば」と話していたが、そう簡単ではなかった。前日5日の試合では同点の9回に登板して今季初失点でチームも敗れた。「2日連続で失敗するわけにはいかない。すぐ、やり返せたのは自分でも良かった」。

 実は、駒大時代から阪神の守護神・藤川にあこがれていた。「あのボールが理想ですね」。藤川の浮き上がるような軌道の直球を目指して練習をしていると、親指の内側に奇妙な形のマメができた。そのマメにボールを引っかけ、はじき出す感覚で速球を投げると、いい球がいくようになった。「(マメは)気付いたらできていたんですよね」。期せずして抑えになり、あこがれの存在に少し近づいた。

 「久さんが早く戻ってきてくれることを願っていますが、それまでは僕が9回を頑張ろうと思います」。栗山監督も「これで自信を持って投げてくれると思う」と、笑顔をみせていた。