<ソフトバンク7-3楽天>◇6日◇福岡ヤフードーム

 誰よりも本人が一番驚いていた。打球はバックスクリーンに飛び込み、ソフトバンク中西健太外野手(26)は一塁を回ってようやく足を緩めた。09年8月以来のスタメン出場で、08年以来4年ぶりとなる通算4号、今季1号ソロが飛び出した。

 「打ったときは最高にうれしかった。あっという間に1周回りました。ベンチに帰って不思議な感じがしました」

 今季初スタメンの初打席。塩見の初球ストレートを仕留めた。結果は全く気にせず、無心に振り抜いた。「真っすぐに絞って、思い切りいくだけでした。いい意味で開き直って打ちました」。左投手との相性でスタメンを決めた秋山監督もびっくり。「思い切って振ったね。思い切って使ってよかった」と目を細めた。

 09年には開幕スタメン入りしたが、10年は1軍出場はなく、昨年は代走の3試合だけ。2軍も若手の台頭でレギュラー出場が確定しているわけではない。背番号は27から31、今年は58とどんどん大きくなった。「背番号が変わったときはショックでした。でも何番でもいいと思い直した。何を考えてもアカンときはアカン。1日1日を無駄にしないことを考えました」と気持ちは常に前を向いた。昨年12月に結婚。「嫁さんにいい思いをさせたい」。家族ができて、さらに1軍復帰を狙う気持ちは強まった。

 「プロ1号のときと同じ気持ちですね。自分の中では1号です」。ここが新たなスタートラインだ。【前田泰子】