<楽天14-1オリックス>◇8日◇Kスタ宮城

 グラウンドがお祭りになった。8連敗中だった楽天が球団タイ記録の20安打、今季最多の14得点で連敗を止めた。2戦2敗だったオリックス井川を攻略。安打の嵐に球場のファンは何度も立ち上がった。7月17日以来の勝利に星野仙一監督(65)は「いつもこうであればいいけど。今までのうっぷんを晴らしてくれた感じだね」と目尻を下げた。

 前半戦の強い楽天が戻ってきた。そのきっかけとなったのが1番聖沢。1回に先制のホームを踏むと、2回に適時三塁打で2点追加。4安打3打点で打線爆発の口火を切った。星野監督も「ヒジリ(聖沢)の3点目が効いたね」と切り込み隊長をねぎらった。

 後半戦に向け、同監督は「このチームはまだ味をしめてない。闘争心、貪欲さ、そういうものをもっと出さないと」と優勝経験のない選手たちに精神面の強さを求めていた。

 連敗中の4日、札幌での日本ハムとの試合後には銀次、枡田、美馬、聖沢、辛島の5人と高級すき焼き店で食事をともにした。野球の話はない。ざっくばらんな会話で気分転換を図った。そのメンバーにいた聖沢、美馬がこの日のヒーローとなった。前半戦3位ターンの原動力には若手の成長がある。その力が再び息を吹き返した。

 投打がかみ合い、最高の形で連敗を止めた。同監督は「(投手も野手も)両方良かったな。ぜいたくなことは言えないけど、もったいなかった」と快勝に満足そう。この日は仙台七夕祭りの最終日。そのフィナーレーをド派手に飾った。【斎藤庸裕】