日本野球機構(NPB)が、来春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表監督の就任を要請する方針を固めているソフトバンク秋山幸二監督(50)が25日、あらためて現役監督の指揮は困難という見解を示した。交渉が難航する可能性は高く、目指している今月中の決着は厳しい状況になってきた。ただ、NPB側からすれば秋山監督が就任に難色を示すのは想定内。加藤コミッショナーの特別顧問を務めるソフトバンク王球団会長らが、粘り強く説得していくとみられる。
着地点の見え始めた代表監督人事は簡単に収束といかないようだ。NPBは秋山監督に就任要請をする方針を固め、ペナント争いのタイミングをうかがいながら交渉を行う予定でいる。ただ、テーブルの向こう側に着く秋山監督はこの日、大阪に移動する際の仙台空港で「現場は難しい。オレは無理だって言ってるだろ。12球団の監督みんなに聞いてみて。みんな言わないだけだよ」と従来の主張を変えなかった。就任要請を受けるということを歓迎はできず、声のトーンは少々荒かった。
秋山監督は昨年の日本一監督で、3月には復興支援試合で侍ジャパンを率いた。NPBが就任要請するのも自然な流れだが、来春開幕のWBC代表チームの指揮については以前から「自分のチームだけでも開幕に向けた準備は大変。同時に、代表チームの選手の状況を把握して、調整、対戦相手のことも考えたりはできない」と語っていた。大会3連覇という目標達成に、二足のわらじは適切でないと考えている。
過去2大会を指揮した王、原の両監督が大きな負担を負ったことは理解している。ただ、仮に就任要請を受けた場合、代表監督は球団の現役監督と兼任という路線が球界にできる可能性もある。秋山監督の「みんな言わないだけだよ」という発言には、他の11球団を率いる監督への配慮もうかがえる。
ソフトバンクはリーグ3連覇のかかるペナント争い終盤で、クライマックスシリーズ進出へも正念場。試合に集中したい時期だけに、この日も当初は報道陣に「話したくないよ」と代表関連の話題には答えたくないという様子だった。ただ、話し始めると「監督をやったことない人が(人事を)やってるから、現場が(いい)という考えが出てくる」などと、加藤コミッショナーらの日本代表監督への人選方法などへの疑問などが漏れた。
ただし、NPB側からすれば、当初から、すんなり受諾の方向に進むとは思っていない。現時点では秋山監督が固辞する姿勢を崩さず、就任に前向きになれないというのも予想していた範囲のうちだ。前回優勝監督の巨人原監督にアドバイザー的な役職への就任を要請し、秋山監督を全面サポートする用意もある。今月中に決着する見通しは立っていないが、ソフトバンク王会長らあらゆるチャンネルを通じて説得を試みていく見込みだ。
◆秋山幸二(あきやま・こうじ)1962年(昭37)4月6日生まれ、熊本県出身。八代高から80年ドラフト外で西武入団。87年に43本で本塁打王、90年には51盗塁で盗塁王。85年から9年連続30本塁打をマーク。93年オフにトレードでダイエー移籍。00年8月に通算2000安打を達成。91、99年日本シリーズMVP。02年に引退。通算成績は2189試合で2157安打、437本塁打、1312打点、打率2割7分。05年にソフトバンク2軍監督に就任。07年1軍総合コーチ、08年チーフコーチを経て09年から監督。10、11年とリーグ優勝し、11年は日本一。91年に選手、11年には監督で正力賞を受賞。185センチ、89キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1億円。



