<オリックス0-7ソフトバンク>◇25日◇京セラドーム大阪

 あっぱれ!

 ソフトバンク武田翔太投手(19)が、プロ初完封だ。ホークスの高卒新人では54年(昭29)宅和本司以来、58年ぶりの快挙。また高卒新人の7勝目は、65年ドラフト制施行後では02年寺原隼人(現オリックス)の6勝を抜く球団新となった。最下位オリックスに完勝し、首位日本ハムに3・5ゲーム差とじわり接近。貴重な1勝となった。

 最後は李大浩を二ゴロ併殺打に仕留めると、武田に満面の笑みが浮かんだ。高卒新人では球団58年ぶりの完封。敵地のヒーローインタビューでは淡々と、味方への感謝を口にした。

 「いつも通りにしっかり投げようと思って、結果的に完封になった。緊張する場面もあったが、野手の方がしっかり守ってくれた」

 最下位オリックスを手玉に取った。5回無死三塁のピンチをこの日最速149キロ直球などでしのぐと、自己最長だった6回1/3を過ぎて未知の領域に突入した。8回終了で101球に到達。ここでリミッターを外した。

 チームの方針で100球の制限がある中、続投を志願した。1死から初四球を与えたものの111球で快記録を達成。「最後は自分から行きたいと言った。いつもより少し体は張ってる感じはあるが、球数もいつもくらいなので問題ない。前回よりコントロールがまとまっていたし、相手チームが早めに打ってくれて助かった」と涼しい顔だ。

 7種類の変化球を操るほか、右打者の内角に食い込むような直球も武器。その効果を増すため、宮崎日大高時代から投手プレートの一塁側に立っている。「右打者の外角直球、内角が投げやすい。三塁側に立つと外角が投げにくい。力の働きの向きが違う」。右打者への内角カーブが相手に向かうように見えて、怖がらせる効果もあるという。

 新人王レースでもアピールした。7勝目は、同じ高卒新人でしのぎを削る楽天釜田と並んだ。10試合目での到達は釜田より7試合も早いペースだ。これまでライバル視する発言はしなかったが「周りの目もあるんで、絶対負けないという気持ちでやっていこうと思う」と欲も出てきた。

 前日楽天戦のサヨナラ負けで漂った嫌なムードも断ち切った。「今日はガラッと雰囲気を変えたかった。変わりましたね。これからも大変な試合が残っている。全力で戦いたい」。首位日本ハムが引き分けて3・5ゲーム差にじわり接近した。残りは8試合。19歳の右腕は、奇跡の逆転優勝をあきらめていない。【大池和幸】

 ▼武田がプロ初完封で7勝目。高卒新人の完封勝利は今年の8月16日釜田(楽天)以来で、ドラフト制後(66年以降入団)は19人目。ソフトバンクの高卒新人が完封勝利は、ドラフト制以前の54年宅和が9月23日西鉄戦で記録して以来、58年ぶり。ソフトバンク高卒新人の7勝も54年に宅和が26勝、戸川が8勝して以来。ドラフト制導入後、球団の高卒新人最多は02年寺原の6勝(2敗1セーブ)だが、そのうち2勝は中継ぎで挙げたもの。武田はすべて先発勝利で球団記録を更新した。