中日平井正史(37)小笠原孝(35)マキシモ・ネルソン(30)の3投手が来季構想から外れたことが27日、分かった。26日に高木監督らが参加した編成会議で決定されたもの。10月1日の戦力外通告解禁を待って正式に通達される。3投手とも落合前監督時代に4度の優勝に貢献した功労者だが、不調や故障で力を発揮できず。47歳山本昌らが現役続行決定の一方で、一時代が終わりを告げた。

 一時代を築いた3投手が今季限りで竜のユニホームを脱ぐ。平井、小笠原、ネルソン。26日に行われた編成会議で、来季の構想から外れたことが分かった。いずれも落合前監督時代に4度の優勝に大きく貢献したV戦士。寂しい秋が訪れる。

 オリックスの守護神として日本一に貢献した右腕平井は、02年オフに山崎との交換で移籍。右肘故障など4年間未勝利だったが、03年は先発に転向して12勝、カムバック賞に輝いた。04年の落合監督就任後は主に岩瀬につなぐセットアッパーで活躍。V4に欠かせない大車輪となった。

 だが2軍発進した今季は、4月に右ふくらはぎを痛めて出遅れた。復帰後も若手に押し出される形で昇格機会に恵まれず、2軍戦は登板25試合で1勝0敗、防御率3・57。9月17日にようやく初昇格したが、2試合で防御率11・57と結果を出せなかった。現在も1軍ベンチに入っているが、球団は功労者への配慮もあり、最終戦まで抹消せず、退団試合を検討しているもようだ。

 98年ドラフト3位で入団した左腕小笠原は先発、中継ぎとマルチな活躍で貢献してきた。だが昨年は左肩の故障などで登板1試合に終わり、主に先発の谷間を務めた今季も6試合で0勝2敗、防御率5・40。平井同様、力の衰えは隠せないとして構想を外れた。

 08年にテスト入団した助っ人ネルソンは昨季、初の開幕投手を務めるなど、リーグ連覇に欠かせないタフネス右腕だった。だが今季はキャンプで発覚した右肩の故障が長引き、登板6試合で0勝1敗、防御率7・15。9月中旬には右肩痛が再発、剥離(はくり)骨折も判明して今季絶望となっていた。

 3投手とも、現役続行を希望するとみられる。

 ◆平井正史(ひらい・まさふみ)1975年(昭50)4月21日、愛媛県生まれ。宇和島東から93年ドラフト1位でオリックス入団。95年には15勝5敗27セーブで優勝に貢献した。最高勝率と最優秀救援のタイトルを獲得して、新人王も同時に獲得。02年オフに山崎武司との交換トレードで中日に移籍した。03年には、12勝を挙げてカムバック賞。推定年俸は6500万円。185センチ、97キロ。右投げ右打ち。

 ◆小笠原孝(おがさわら・たかし)1976年(昭和51年)11月29日、千葉県生まれ。市船橋2年時には春夏甲子園に出場。明大では川上(現中日)の1年後輩で、リーグ戦17勝をマーク。99年ドラフト3位で中日入団。08年には球宴初出場し、自身最多の8勝をマーク。今季推定年俸は3000万円。173センチ、80キロ。左投げ左打ち。

 ◆マキシモ・ネルソン

 1982年4月21日、ドミニカ共和国生まれ。ヤンキースのドミニカアカデミー出身。ヤ軍傘下マイナーを経て、07年はイスラエルでプレー。08年中日にテスト入団。昨季は開幕投手を務め10勝14敗。204センチ、86キロ。右投げ右打ち。