<ウエスタン・リーグ:阪神3-2オリックス>◇29日◇鳴尾浜
今季限りでの引退を表明した阪神城島健司捕手(36)が、ウエスタン・リーグ、オリックス戦に「3番捕手」で出場した。引退試合で1回限定でマスクをかぶり、家族と1700人を超えるファン、チームメートが見守る前でのラストゲームで勇姿を披露した。
一塁ベースに到達する前に、視界がかすんだ。最後の打席は1回無死一、二塁。2ストライクから投手の横を抜ける中前適時打だ。3人の子どもたちから花束を受け取ると、その目はさらに赤みを帯びた。同僚安藤、オリックス新井2軍監督から花束を贈られ、歓声に手を上げて応えた。
「プロに入っての初ヒットがセンター前で、タイムリーだったんですよね。最後のプロのヒットもセンター前で。18年間、引っ張りで、基本に忠実なバッティングはしていなかったんですけど、やめるときになって、素直なバッティングができました」
代走を送られると投手キャプテンの藤川が歩み寄る。城島のヘルメットを脱がせると、そっと土の上に置いた。本塁付近に導かれ、チームメートの手で7度、宙を舞った。「試合を止めたくなかったけど。みんなのそういう気持ちがうれしかった」とサプライズの胴上げを喜んだ。
投球練習の最後には「バズーカ」とたとえられた二塁送球を披露。「野球人の血が騒いで。投げた結果、激痛です。一時、さおを持てないです、これは」と大好きな釣りを持ち出して笑った。「胸を張ってユニホームを脱ぎます」と、最後まで捕手であり続けながら、ユニホームに別れを告げた。【岡本亜貴子】



