<日本ハム4-2西武>◇29日◇札幌ドーム
就任1年目の日本ハム栗山英樹監督(51)が今日30日、宙を舞う。西武との2連戦第2ラウンド。代打に送った杉谷、二岡がともに打点を挙げるなど采配がズバリ。盤石のリリーフ陣の継投で逃げ切り、今季初の5連勝。優勝マジックを2とし、3年ぶりのリーグ制覇が目前となってきた。今日30日のソフトバンク戦に勝ち、西武がオリックスに敗れるか引き分けなら優勝が決まる。
今日は涙は、ない。糸井のヒーローインタビューを、栗山監督は笑顔で見つめた。「今年を象徴するシーンが多かったよね。すごく感じさせられる試合だった。ベンチにいる選手とプレーしている選手がつながっているのを感じる。そういうのを見るのは幸せだよね」。マジック点灯で、チームの結束はさらに強くなった。
今季一貫してきた「栗山流」采配を、凝縮した。2点リードの5回無死一塁で陽岱鋼が送りバントを失敗(ファウル)すると、強攻にサイン変更。投手強襲の二塁打で好機を広げ、さらに代打杉谷が犠飛を放って追加点を挙げた。杉谷は前日28日にも1死二塁で代打起用したが、凡退していた。2人ともに、挽回のチャンスをすぐに与え、それが結果に結びついた。杉谷は「少しでもチームに貢献するのが僕の目標です」。指揮官の無言のゲキが、選手たちを奮い立たせる。
無死満塁のピンチを背負った6回からは、絶大の信頼を置く救援陣を惜しみなく投入。その裏の攻撃では代打二岡も的中し、7回の時点で残り野手は控えキャッチャーの近藤だけになった。栗山監督は、開幕のときに立てた誓いを思い起こしていた。「大事にいきたくなるけどね。攻めは最大の防御だから」と言い切ったように、瞬間、瞬間に全力を尽くし戦ってきたからこそ、この位置にいる。
突っ走ってきたシーズンも残り4試合。「体調のことを考えて布団には入るようにしている」が、満足に眠れない日々は続いている。シーズン途中からは、チームドクターに胃薬をもらうのが日課となり、ベンチでは全身に力が入るため、首、肩、背中は「バリバリ」状態。それでも、今季初の5連勝で、ゴールテープは目の前に迫った。「ずっと貯金10の壁を越えられなかったし、連勝も4だったよね。欲してはいけないのかなぁと思う。いろんなことを学ばせられる」と、感慨深そうに語った。
台風の影響が心配されるが、今日30日にも胴上げが実現する。「周りで見ているよりもプレッシャー。あと2つどう取るかしか考えてない。重圧がかかって5割でいくって難しいからね。ライオンズは負けないから」と、かぶとの緒を締め直した。そうやって、140試合を戦ってきた。【本間翼】



