<西武4-3オリックス>◇9月30日◇西武ドーム

 瀬戸際に追い込まれた西武が、逆転優勝へ望みをつないだ。勝利に導いたのは、先発牧田和久投手(27)だった。9月26日の楽天戦に先発したが、3回2失点で降板。中3日での強行先発だったが、8回3失点の好投で13勝目を挙げた。「きつかったですけど、そんなこと言ってられないんで。何とか意地で」。指揮官の期待に応えた充実感が表情ににじみ出た。

 残された力は、気力だけだった。1点リードの8回2死二塁、外角低めに直球を投げ込み、川端を二ゴロ。小さく右拳を握る。精根尽きた表情で、ゆっくりとベンチに戻った。8回途中から右ふくらはぎに張りを感じたギリギリの状態。「死に物狂いですね。最後は、気持ちです。気力で乗り切るしかなかったです」と気力という言葉を何度も繰り返した。

 チームもギリギリの状態だった。首位打者の中島が、左脇腹痛で欠場。既に栗山、片岡ら主力を欠く中、また1人、大事なピースが欠けた。この試合に負ければ、首位日本ハムの優勝が決まる可能性が出てくる大一番。「緊張はしますけど、それはマウンドに上がった時だけ。大事なのは、メリハリです」と繰り返す男らしく、その重圧をはね返した。

 7回を除き、7イニングで安打を浴びたが、失点は3。粘りに粘る牧田の真骨頂だった。首位攻防戦で連敗し、沈みかけた雰囲気を一蹴。渡辺監督は「中3日でどうかと思ったけど、ナイスピッチング」と評価した。前夜の敗戦後、指揮官、中村ともに戦う姿勢を強調。厳しい状況にも、出し切る”気持ちは変わらなかった。【久保賢吾】