西武佐藤友亮外野手(34)が現役を引退することが9月30日、分かった。チーム一筋12年目のベテランは、走攻守で欠かせないバイプレーヤーとして活躍。世代交代が進んだ今季は12試合の出場にとどまり、関係者の話を総合すると、今季限りの決意を固めた。2軍本拠地最終戦となる今日1日ロッテ戦(西武第2)が引退試合となる可能性が高い。

 佐藤は慶大から00年ドラフト4位で入団した。名門慶応高に一般受験で合格した知性派らしく、配球の読みや駆け引きを得意とし、04年日本シリーズでは1番打者として中日バッテリーをかく乱。3割9分4厘の高打率で12年ぶり日本一の原動力になった。08年アジアシリーズMVPなど、短期決戦では特に勝負強さを発揮した。度重なる故障に泣かされ、規定打席到達こそなかったが、玄人をうならせる渋いプレーで貢献度が高かった。

 まとめ役としてもフル回転した。26年ぶりBクラスに沈んだ07年など、苦しい時期には首脳陣、球団とのパイプ役になってチーム再建を支えた。自分の意見を言葉にでき、若い選手には厳しく指導にあたった。強いライオンズ時代の遺伝子を受け継いだ名脇役が、静かにユニホームを脱ぐ。

 ◆佐藤友亮(さとう・ともあき)1978年(昭53)6月13日、神奈川県生まれ。慶応-慶大。00年ドラフト4位で西武に入団。翌01年開幕戦に、本職ではない二塁手で先発デビューして話題に。04、08年には日本一に貢献。通算成績は732試合で打率2割5分5厘、123打点、9本塁打、52盗塁。178センチ、85キロ。右投げ右打ち。背番号10。