<フェニックス・リーグ:阪神3-3DeNA>◇8日◇久峰

 “近未来クリーンアップ”結成!

 阪神ドラフト3位西田直斗内野手(19=大阪桐蔭)2年目の中谷将大捕手(19)一二三慎太外野手(20)が、みやざきフェニックス・リーグ開幕戦のDeNA戦で、夢膨らむクリーンアップを結成した。今日9日は金本の引退試合。鉄人なき猛虎の未来を担う可能性のある若虎3人のそろい踏みは、希望がいっぱいです。

 何て夢のあるオーダーなんだろう。3番西田、4番中谷、5番一二三。期待の若虎3人の“近未来クリーンアップ”でフェニックス・リーグが幕を開けた。猛虎の未来を担う可能性のある3人のそろい踏みは、夢と希望がいっぱい。でも、初めてクリーンアップ結成した一戦は…。若さゆえのホロ苦いものだった。

 3番西田は2失策で無失策の目標を打ち砕かれた。7回に山崎のゴロをグラブに当て捕球できず。同点の9回にも黒羽根のゴロをトンネル。一気に三塁まで進まれる適時失策で、勝ち越し点を献上。それでも、1点ビハインドの9回2死満塁で、バットを折りながら左前へ同点打を放った。

 西田

 最初の(守備)3つはいい感じだったんですけど。毎打席、あのくらいの気持ちでいかないと。

 4番中谷も走塁ミスを犯した。5回に左中間へ当たりを飛ばし、思い切って二塁を狙ったが、タッチアウト。打撃でも西田の同点打で追いつき、なおも9回2死満塁で空振り三振するなど、2三振を喫した。

 中谷

 思い切っていったんですが…。

 5番の一二三は無安打ながら好守を見せた。6回に渡辺の左翼線への打球を素早く処理し、単打とした。同点に追いつかれた7回1死一、二塁でも飛雄馬の左前打を好返球。西田の中継を挟んで二塁走者を本塁で刺し、勝ち越しを阻止した。

 一二三

 1本打ちたかったですね。でも守備でいいところが出たので良かったです。期待に応えるしかないので、やりますよ!

 吉竹2軍監督は「3人で競い合ったらいいやん」とハッパ。11日までの第1クールは“近未来クリーンアップ”で試合に臨む。今日9日DeNA戦で、金本がファイナルゲームを迎える。偉大な背番号6の背中を見て、感じてきた若虎たちの可能性は無限。鉄人の領域には、はるか及ばなくとも、1歩1歩近づくことはできる。猛虎の未来を担う期待の若虎3人が泥にまみれ、失敗を糧に成長していく。“近未来クリーンアップ”が甲子園で実現する日が来ると信じて。【岡本亜貴子】

 ◆一二三慎太(ひふみ・しんた)1992年(平4)9月29日、大阪府生まれ。東海大相模3年時に春夏連続で甲子園に出場、夏に準V。10年ドラフト2位で投手として阪神入団。11年オフに外野手転向。今季ウエスタン・リーグで33試合に出場、打率1割7分8厘、0本塁打、1打点。187センチ、89キロ。右投げ右打ち。

 ◆中谷将大(なかたに・まさひろ)1993年(平5)1月5日、福岡県生まれ。福岡工大城東から10年ドラフト3位で阪神入り。8月23日中日戦(倉敷)で1軍初出場。1軍では6試合で無安打。ウエスタン・リーグでは90試合出場、打率2割2分5厘、3本塁打、27打点。187センチ、86キロ。右投げ右打ち。

 ◆西田直斗(にしだ・なおと)1993年(平5)4月26日、大阪府生まれ。大阪桐蔭2年でセンバツ出場。11年ドラフト3位で阪神入りし、一塁手から遊撃手へ転向。今季ウエスタン・リーグ71試合に出場し、打率2割3分7厘、0本塁打、18打点。185センチ、79キロ。右投げ左打ち。