<フェニックスリーグ:日本ハム9-0四国IL選抜>◇13日◇サンマリン宮崎

 日本ハム栗山英樹監督(51)が、CSのキーマンになる中田翔内野手(23)に「非情采配」を予告した。調子を落とせば、何もできないまま終わってしまうのが短期決戦の怖さ。シーズン中には4番起用にこだわってきた指揮官も「(中田と)心中はしない。個人のために、チームが死んでしまうようなことはあり得ない。チームを生かすということしか考えない」と、最悪の場合は代打を起用してベンチにさげる可能性も示唆した。

 この日のフェニックスリーグ四国IL選抜戦(サンマリン宮崎)こそ3打数無安打に終わった中田だが、宮崎では3試合で10打数5安打と好調を維持しており、指揮官もこのままCSに突入してくれることを信じている。だが、立て直しがきかないのが短期決戦。過去ポストシーズンでは、通算11打数ノーヒットと苦しんでいる中田自身も「試合が始まって、(調子が)悪いと終わってしまう」と、難しさを痛感している。

 現在行われているメジャーのプレーオフでは、ヤンキースのジョー・ジラルディ監督が、不振のA・ロッドに代え、イバネスを代打に送って成功した例がある。栗山監督は「翔はしっかりと振るから、調子が悪くても出てくる打者より怖いということもある。どっちの方が相手がイヤかを考える」と、勝利への確率を見極めて作戦を立てるが、シーズン中の考え方とは、少し趣が変わりそうだ。

 CS第1Sはソフトバンクが先勝し王手をかけた。「相手が決まらないと何とも言えないけど、1つだけ願望を言うなら、3試合やってくれればいい」。戦力を使い、疲弊して勝ち上がってくることを期待した栗山監督。短期決戦は何よりも、勢いが物を言う。【本間翼】