日本ハム栗山英樹監督(51)が、初めて挑戦するポストシーズンで「戦々恐々」の珍テーマを掲げた。CSファイナルステージ開幕前日の16日、会場の本拠地・札幌ドームで最終調整。前向き思考と大胆采配で、就任1年目でリーグ優勝をつかんだが、短期決戦にはやや及び腰になっている本音を吐露。「『さあ』という気持ちと『ものすごく怖い』というのが正直なところ」と不安を隠さずに明かした。

 ソフトバンクと西武が激闘を繰り広げたファーストステージを入念にチェックし、新人監督の苦悩が大きくなった。「ものすごい試合だったね。あれだけ、しびれる試合ってなかなかない」。公式戦と違い、ワンプレーが大きく流れを左右する大一番。要警戒のキーマンの登場にも、恐れが増幅した。故障から復帰した松田対策に「勢いが付くよね。それを、どうやって止めたらいい」と決戦を前に思案した。

 初体験の大舞台。局面では心が揺れそうだから、全員野球をあらためてカギに設定した。「個人というより、一丸となって攻め続けられるかというのが大事。最後は人間力。このチームは、そういうものを持っているはず」と自分を奮い立たせた。選手に助けてもらいながら、乗り切った監督1年目の集大成。勇気を振り絞って、3年ぶりの日本シリーズ切符に照準を合わせた。【高山通史】