中日が来季1軍投手コーチとして、今中慎二2軍投手コーチ(41)を昇格させることが22日、濃厚となった。今季が終了し、チームは巻き返し準備に着手。その第1弾が1軍首脳陣のテコ入れだ。伝説の10・8で今中氏とコンビを組んだ中村武志2軍捕手コーチ(45)も昇格の見込みで、バッテリー部門を強化。3連覇を阻まれた巨人の強力打線を封じるべく、投手王国を建国してV奪回に臨む。

 01年に引退した今中氏は、今季から2軍投手コーチとして古巣に帰ってきた。発展途上の左腕大野を夏場から1軍ローテに送り込み、今中2世と評判の高卒3年目左腕、小川は2軍ローテに定着。また右腕でもドラ2ルーキー西川を1軍に送り、4年目伊藤もCS巨人戦で白星を挙げるなど若竜の成長をサポートしてきた。総合的に高い指導力を球団が高評価した。

 中でも左腕先発の育成は大きなテーマだ。チェンがメジャー移籍した今季は、先発不足に課題を残した。ソトは故障に泣き、雄太も十分な結果を残せなかった。明るい話題は7月のプロ初勝利など4勝をマークし、巨人とのCSでも快投した10年ドラ1の大野ぐらいか。かつての最多勝&沢村賞左腕エースの手腕に、かけられた期待は大きい。

 ◆今中慎二(いまなか・しんじ)1971年(昭46)3月6日、大阪府生まれ。大阪桐蔭から88年ドラフト1位で中日入り。93年には17勝7敗、防御率2・20で最多勝、最多奪三振、沢村賞を獲得した。山本昌と左腕2枚看板で、90年代の中日をけん引。通算91勝69敗5セーブで01年引退。今季からコーチ。182センチ、78キロ。左投げ左打ち。

 ◆中村武志(なかむら・たけし)1967年(昭42)3月17日、京都府生まれ。84年に花園からドラフト1位で中日に入団。横浜、楽天を経て05年に現役を引退。通算成績は1955試合出場、1380安打、137本塁打、打率2割4分2厘。09年にコーチとして中日に復帰。178センチ、85キロ。右投げ右打ち。