巨人坂本勇人内野手(23)が「ささやき侍」としてWBCに見参する。日本代表候補発表翌日の5日、球団イベントで東京・墨田区の業平小学校を訪問。給食ではこどもたちと大好きなカレーをほおばるなど終始笑顔だったが、WBCの話題に表情が引き締まった。「マサヒロ(楽天田中)とも一緒に盛り上げてやっていきたい。若い僕たちで引っ張っていくんだという気持ちでやっていかないと」と、決意をにじませた。

 坂本が貢献できるのは、走攻守だけじゃない。今季、ピンチなどの空気を察知すると「間を見て『行かな』って思うんです」と守備位置からマウンドに近づき、投手に笑顔で声を掛けた。時にはボディータッチもし、気持ちをうまくほぐした。この日、一緒に訪問した西村が「勝ちを意識して緊張してると『頑張って』って励ましてくれる。後輩だけど、そのひと言で緊張せずに上がれる」と話したように、巨人投手陣へのささやき効果は絶大だった。WBCの候補選手では内野手で最年少だが「ルール上で大丈夫なら、どんどん(マウンドに)行きたい」と物おじしない。1点が勝負を分ける、世界一が懸かる大舞台。坂本が絶妙の「声掛け」で、危機の芽を未然に摘む。【浜本卓也】