涙の指揮官の“泣き落とし”に負けた!?

 日本ハム宮西尚生投手(27)が5日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、3000万円増の1億2000万円(推定)でサインした。「入団したときに(1億円を)超えるような選手になると思っていなかったので、自分が一番驚いています。大台を超えて、責任は大きくなると思う」。喜びながらも、気を引き締めた。

 試合展開にかかわらずマウンドに立ち、66試合に登板。2勝2敗、防御率2・25と安定した投球で、入団から5年連続50試合以上登板という偉業を成し遂げた。「ダメージはありますよ。ボロボロです」と蓄積疲労はあるが、来季の目標はすでに定まっている。

 オフに入り、自宅で見ていたテレビで栗山監督の衝撃発言を耳にした。「増井、宮西、(武田)久には来年も頑張ってもらいます」。画面を見ながら「ずっこけた」。後日、イベントで顔を合わせた栗山監督からはさらに「ミヤ、ちょっとごめん。来年も頼む」。面と向かってお願いされれば、やるしかない。「(武田)勝さんは監督を泣かせると言っていたけど、僕は抑えて当たり前と思ってもらえるようにしたい。(登板数)チーム一番になるように」。パ・リーグ新記録となる、入団から6年連続50試合登板が最低限の目標に決まった。

 来季からは、黒木、島崎両投手コーチに体制が変わる。「コミュニケーションをしっかり取っていきたい。リリーフは自分が中心になって回していかないと」。1億円プレーヤーとなり、リーダーシップを取る自覚も芽生えていた。【本間翼】