“ネック”の首を鍛える!?

 ソフトバンク本多雄一内野手(28)が10日、今オフの強化ポイントに首を挙げた。4月に負傷し、弱点に指摘されている部分で、世界クラスのボディービルダーから入手した特別メニューで強化中。打率2割4分6厘と不完全燃焼だったリードオフマンは、首を鍛え抜き、全試合フルイニング出場に再挑戦する。

 本多はテレビ収録を終えた後、福岡ヤフードームにこもって意外な場所を鍛えていた。首だ。「寝た状態で台から首だけ出して腹筋、背筋をしたり、横向いて側筋を動かしながら、首を鍛えてます。今年は不安がつきまとったので」。多忙なオフの合間を縫っての筋力強化。ボディービルの世界大会で6位になり、ソフトバンクでも指導歴がある高西文利氏(57)直伝メニューに、“首ったけ”の毎日だ。

 本多は4月28日ロッテ戦で帰塁の際に首を痛め、途中交代し、連続フルイニング出場が293試合でストップ。また同29日の欠場で連続試合出場も352試合で途切れた。「1つのけがで連続イニングが途切れたのはショック。今年もけががなければ全試合出場できたと思うし、本当にショック」と、体と心で痛い思いをした。

 さらに、今シーズン最終戦となった日本ハムとのCSファイナルステージ第3戦。一塁ファウルゾーンの飛球を捕球後、フェンスに激突し、またも首を痛めた。試合中に搬送された病院で「痛めやすい骨の形状になっている。トレーニングで克服するしかない」と指摘され、“首トレ”に目が向いた。「今まであまりトレーニングをやったことがない部分。疲れがたまると(痛みが)出やすいしケアや筋トレで対処します」。

 07年の二塁定着後、自己ワーストの打率2割4分6厘。盗塁は昨年の60から大幅減の34と散々だった。だが、「この歳から続けるのもいい」と、もう1度、全試合フルイニング出場に挑戦する。たくましい首を手に入れた本多を、見クビってもらっちゃ困る?

 【押谷謙爾】