指揮官が鯉のプリンスに実力でのレギュラー奪取を促した。広島野村謙二郎監督(46)が10日、マツダスタジアムを訪れ、レギュラーを白紙としてチーム内の競争を奨励した。特に今季、チーム唯一の全試合出場した堂林翔太内野手(21)にも例外を与えない方針。今季、故障者続出でベストオーダーの組めなかった打撃陣に刺激を与えた。

 今季レギュラーを張った野手陣にも特権を与えることはなかった。3年目の堂林に、野村監督はあえて厳しく言い放った。

 「今年、活躍したとは思っていない。今年みたいな状況になったら、次を考えないといけない」

 堂林は3年目で初めて1軍デビューし、全144試合試合に出場。打率2割4分2厘、14本塁打、45打点の成績を残した。一方で得点圏打率1割9分2厘と150三振と両部門でリーグワーストとなった。失策も29個と粗削りな面もあった。

 今季、指揮官はキャンプはもちろん試合前や移動日も堂林の練習には徹底的に付き合ってきた。「堂林には、皆さんの見えない所で厳しいことも言ってきた。本人も分かっていると思う」。厳しさは今後の成長を願っての愛情だった。

 投手陣がチーム防御率2・72と踏ん張った一方で、不振に泣いた打撃陣を変えていく必要がある。当然、他の打者にもいえる。「(レギュラー)候補みたいな者はいるが、大まかにいえば、白紙になる」という。

 過去、規定打席を何度もクリアしてきた東出、栗原、梵らも例外ではない。「彼らには実績もあるし、抜けている」と話しながらも「ケガはもったいない。東出がケガをしたことで菊池らが出てきた。ケガをしないように取り組んでもらいたい」と奮起を促した。

 今季は日替わりで打線を組むことが多かった。調子のいい選手を優先して起用した。1人でも多く好調を持続してもらいたいのが本音だ。「もっと早い段階でレギュラーを取ってもらいたかった」と天谷、岩本らの名前を挙げた。2人は7月に爆発的な活躍をしながら長続きしなかった。

 来季には新外国人ルイスに、ドラフトで明大・上本崇司内野手(22)ホンダ・下水流昂(しもずる・こう)外野手(24)の即戦力が加わり、鯉のスタメン競争は激しさを増す。高いレベルでスタメン争いができたとき、念願の優勝とCS進出が現実味を帯びてくる。【中牟田康】