次世代エース候補が“マー君道”を歩む。楽天釜田佳直投手(19)が15日、仙台市内の球団事務所で来季契約を更改した。1年目で7勝を挙げ、233%アップの年俸2000万円に。ルーキーでは、07年田中(1500万円→6000万円)の300%に次ぐ球団史上2位のアップ率となった。だが「予想より少し上でした」と喜んだのは少しだけ。来年1月の田中との合同自主トレに話題が及ぶと、「全部、盗みたいです」と口元を引き締めた。田中には、これまでも助言を受けてきた。「早く追いつきたい」存在だ。取り組みも田中の後ろ姿とダブる。

 (1)脱力フォーム

 疲労がたまったシーズン終盤に成績が落ちた。今秋キャンプで「リリースで最大の力を出す」と改造に着手。最終日は250球を投げ込んだが「張りがなかった。投げてて疲れない。完投が増えると思う」と手応えを得た。田中も10年オフに同様のフォーム改造に成功。11年の沢村賞の下地となった。

 (2)同期会

 田中の「88年会」結成に刺激を受けた。「僕らは『93年会』ですね。同世代で盛り上がって行ければ」。同期はソフトバンク武田、DeNA高城らがいる。88年会のような社会貢献活動の希望もある。

 (3)勝ち星

 「2ケタは絶対。最多勝を目指すぐらい」と言い切った。来季14勝なら入団2年間で計21勝。最多勝を取るぐらい勝てば、田中の同20勝を超える。

 7月には2軍落ちも味わった。決して平たんではなかったが「1年目で経験できたのは貴重です。来年に生かしたい」と前向きな姿も田中そっくりだった。マー君道を究め、釜田の道をつくる。【古川真弥】