まずは、地元ファンにお披露目だ。楽天は16日、今季までヤンキースでプレーしたアンドリュー・ジョーンズ外野手(35)との契約合意を発表した。1年契約で、契約金、年俸などの総額は3億円(推定)。背番号は「25」に決まった。過去に来日した外国人選手で、史上最多のメジャー通算434本塁打。ビッグネームにふさわしく、球団は1月下旬にファンを招いた入団会見を計画している。

 3億円。楽天の本気を示すのは、契約総額だけではなかった。お披露目も、バリバリのメジャーリーガーにふさわしい舞台を用意する。1月下旬の入団会見は、これまでの新入団選手のように仙台市の球団事務所ではなく、同市内の高級ホテルを手配する方針だ。さらに、会見場にファンを招くことが検討されている。

 同じようにホテルで行う新人入団発表には、ファンクラブ会員200人を招待している。だが、外国人選手では異例。球団関係者によると「過去にない」という初の試みだ。11年入団のヒメネス(今季限りで退団)の場合、来日した空港での会見もなし。春季キャンプ地の沖縄・久米島に入った1月31日、選手宿舎のプールサイドに急きょ、椅子を並べ会見しただけだった。今回は、時間も、手間も、お金もかけて、超大物助っ人の晴れ舞台を設定する。地元の楽天好きに、最初に肉声を届ける。

 注目しているのはファンだけではない。営業担当者は「お客さまの反応が変わった」と証言。聖沢は「実績があって素晴らしい選手。CSに行けるのではと、僕もやる気が強くなりました」と歓迎した。近年は指名打者での出場が増えているジョーンズだが、「ライトを守りたい」と希望しているという。球団を通じ「熱い楽天ファンのために、毎日チームの勝利のために戦いたい。ファンの皆さまに優勝を届けられるようにベストを尽くします」と、全試合出場を誓うコメントを出した。早速見せた熱い思いを、ファンと分かち合う。【古川真弥】