「日本ハム・大谷」が誕生した。ドラフト1位で指名された花巻東・大谷翔平投手(18)が25日、契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1500万円(推定)で正式契約を交わし、札幌市内のホテルで入団会見を行った。

 大谷に、“あの男”が挑戦状だ。花巻東高2年生の11年夏に甲子園デビューを果たした大谷。その甲子園「第1球」を打ったのが、当時、帝京の4番に座り、昨季ドラフト2位で日本ハムに入団した期待の大型内野手、松本剛(19)だった。

 2人は1回戦で対戦。4回途中、松本の打席から2番手としてマウンドに上がったのが大谷だった。この勝負、松本が初球148キロの外角低めをライトへ運び犠飛になったが「骨折明けで投げた球が、いきなり148キロ。フォームも球筋もすごくきれい。直球が来ると思っていたのに振り遅れた」と驚いた。5回、2度目の対決はスライダーで左飛。同点で迎えた7回、3度目の勝負で146キロを流し打ち決勝打とした松本率いる帝京に軍配が上がった。

 運命に導かれたようにプロではチームメートとなる。「すごい後輩が来ちゃいますね。若い選手をどんどん使ってくれる日本ハムだからこそ、日本に残って良かった。早く、いじりたい」と松本。大谷にとっては心強い先輩となりそう。今季は1軍未出場に終わった松本だが「打者としてもすごい印象だったので、負けないように頑張ります」と、大物ルーキーの入団を発奮材料に変える。【中島宙恵】