西武菊池雄星投手(21)が“石井一”化計画を明かした。20日、西武ドームで捕手の上本を座らせ、変化球も交えて45球のブルペン投球を行った。今年のこだわりに「150キロを平均して投げたい。分かっていても空振り、ファウルがとれるような。石井さんのストレートを投げたい」。ヤクルト黄金時代に、速球とスライダーを武器に三振を量産した先輩左腕のスタイルを理想に掲げた。

 「寒いこの時期に140キロは出ている」と球団関係者をうならせた本格投球は見応え十分。ドラフト1位増田達至(24=NTT西日本)が初ブルペンを控えていたが、奥園編成部長が「一緒に投げさせたらいかん」と同じ場所に並ばせなかった。新人がつられてオーバーペースになることを心配するほど菊池の速球には勢いと迫力があった。

 鍛えた体はたくましさを増し「今年はやることをやってきた。毎年キャンプがよくて、紅白戦で打たれる。今がよくても意味がない」と先を見る。石井のDVDをチェックし、オフも可能な限り密着。今月、ハワイ合同自主トレから帰国後も練習をともにし「いろいろと聞いて“カズさんおたく”になります」。4年目の進化へ、最強左腕のイメージを膨らませている。【柴田猛夫】