広島ドラフト1位の高橋大樹外野手(18=龍谷大平安)が“相棒”を進化させる。入寮してから、目標とする巨人長野モデルのバットを使用中。だが、2日で5本折るなど操作に苦しみ、追加発注分は高橋仕様にマイナーチェンジしている。手元に届くのは、キャンプ開始直前となるため、その間は残された1本で過ごすしかない。新たなバットを心待ちにし、一振り一振りに魂を込める。

 新兵器が手元に届く日を心待ちにしている。高橋は初めてのキャンプを前に、打者の命であるバットをさらに新調した。入寮以来、目標にしている巨人長野モデルのバットを使用し始めた。だが、感覚のズレからか最初の2日間で5本のバットを折ってしまった。

 この事実を知ったメーカー担当者は、早速マイナーチェンジに乗り出した。「体格にあったバットにしようと、話し合いました。今のものより、少し細く改良しました」。長野モデルのバットは、比較的細めでヘッドが走りやすい型。だが、内角球の裁き方に苦戦する高橋のため、重さは変えずひと回り細くすることで対応力を高める工夫を採り入れたという。

 ただ、8本の新相棒が届くのはキャンプ直前。それまでの期間、高橋には1つの不安がつきまとうことになる。新人合同自主トレがオフだった20日、ポツリと漏らした。「ヤバイですね。あと1本しかないので。マスコットバットで打つわけにもいかないですから…。下水流さんにお願いしようかな」。

 手元に残っているのは同型のバット1本と、マスコットバット2本のみ。新人自主トレでは、第2クールで打撃練習が組み込まれ、これから本格的にバットを振り込んでいくところだ。場合によっては、同じく長野モデルを使用する、ドラフト4位の下水流昂外野手(24=ホンダ)に“救済”を求めなければならないかもしれない。

 初めてのキャンプインまで10日余り。“一振入魂”で感覚を研ぎ澄ましていく。【鎌田真一郎】