「強打の北條」が守備の名人から太鼓判!!

 阪神ドラフト2位の北條史也内野手(18=光星学院)が24日、西宮市内の鳴尾浜球場で行われた新人合同自主トレで“絶賛”された。現役時代に牛若丸の異名をとった元阪神監督の吉田義男氏(79=日刊スポーツ客員評論家)から「面構えがいい」と褒められれば、ゴールデングラブ賞4度の平田勝男2軍監督(53)には守備を高評価された。「打」のイメージが強い北條は、守備力も武器にする。

 前途洋々を予感させる絶賛だった。北條は鳴尾浜の三塁側ベンチ横で見学していた吉田氏にあいさつ。「いい面構えやな。これから、また見るから。楽しみやな」と声をかけられた。ベースランニング、キャッチボールでもセンスの良さを見せつけた。18歳の高卒ルーキーは感激の面持ちで振り返った。

 北條

 有名な方なので、少し緊張しました。指導者としても、内野手としても、自分は小さい頃なので(リアルタイムに)見ていないけど、ゲームに出てきたりしましたから。

 北條にとって、あまりにも遠い存在だった。吉田氏は現役時代、遊撃でベストナインを9度獲得。華麗な守備で魅了し、牛若丸の異名をとった。85年には監督として阪神を21年ぶりの優勝に導いた。数々の名選手を指導してきた吉田氏は同じ遊撃を守る若者に「これから、キャンプなどで、じっくり見させてもらいます。長所を伸ばさないといけないね」と期待を寄せた。

 この日は新たな一面も見せつけた。遊撃の定位置に入ったノックで鮮やかに動く。三遊間へのショートバウンドのゴロを逆シングルで難なく捕り、一塁へ正確に送球。後方で見守っていた平田2軍監督は、興奮気味に振り返った。

 平田2軍監督

 ショートとして十分、合格点!

 フットワーク、身のこなしがいい印象。センスを感じる。(今後)フットワーク、柔らかさを殺してはいけない。

 捕球体勢は安定し、グラブさばきは柔らかい。北條といえば、昨夏の甲子園でバックスクリーン連発など4本塁打を放った強打者の印象だが、同じ遊撃手として84年から4年連続でゴールデングラブ賞に輝いた平田監督をうならせる技量の持ち主だった。

 北條

 今日は、バウンドにもあまり合っていなかった。まだ、これからです。守備は打撃と同じくらい重要です。しっかり守れれば試合に出られる。守備は一番大事ですね。

 攻守の両面で1軍のレギュラーを目指す。2月の春季キャンプは2軍安芸スタートだが、素材の良さを強烈に示した。【酒井俊作】

 ◆阪神の名ショート

 1950~60年代に活躍した吉田義男は俊敏で堅実な守備から「今牛若丸」と呼ばれ、背番号23は永久欠番。生え抜きで、2000本安打を達成した藤田平は、72年創設のゴールデングラブ賞(当時ダイヤモンドグラブ賞)を遊撃手で2度受賞(一塁手でも1度あり)。平田勝男は84年から4年連続で同賞。現役の鳥谷敬は11年に同賞に選ばれている。