新球で先発モード突入!

 昨年9月に左肘遊離軟骨除去手術を受けた阪神榎田大樹投手(26)が25日、術後3度目のブルペン投球を行い、変化球を解禁した。捕手を座らせて32球。「全然ダメだったけど、投げてる感覚をつかみたかったので、投げれたのが良かった」と笑顔を見せた。

 プロ入り2年間はあまり投げなかったカーブを練習する。緊迫のマウンドに上がる中継ぎでは、カーブが投げにくい場面が多かったという。今季、先発転向する左腕はブレーキの利いた変化球をものにして、投球の幅を広げるつもりだ。

 「あまり投げる場面がなかった。先発だと緩急をうまく使っていかないといけない。もともと投げていたボールなので、精度を高めていければ」

 東京ガス時代の10年にプロを見すえ、左打者に対し内角をえぐるスピードの速いスクリューを開発した。横の幅を一段と広げた。新人だった11年1月の新人合同自主トレ中にはカーブの習得に励んでいることを明かしたが、プロの実戦で投じる機会が少なかった。縦の変化を持ち球に加えて、投球のバリエーションを増やす。

 「緩急が大事。下柳さんと話したときにもそういうことを聞いたので、緩急という部分が重要」

 11年まで所属した下柳は緩急でかわす熟練の技が持ち味だった。先発で長いイニングを投げる上で緩急は欠かせない要素。キャンプでもカーブを磨く。「肘の状態を見ながら、できるだけ投げておきたい」。先発マウンドでカーブを駆使できれば、白星数は上昇カーブを描くはずだ。

 ◆榎田の球種

 カーブ、スライダー、カットボール、フォーク、スクリュー。新人時代の11年1月下旬の沖縄・宜野座先乗り合同自主トレでは、ブルペン投球中に福岡大3年時に習得したナックルフォークを披露し周囲を驚かせた。