ライアン小川が、今度は“リベラ・カッター”を披露した。ヤクルトのドラフト2位小川泰弘投手(22=創価大)が埼玉・戸田の練習場でブルペン入りした。新人合同自主トレ最終日に、初めて捕手を座らせて40球。その中に、わずかに変化する直球系の球種があった。大リーグ最多608セーブの記録を持つヤンキース守護神リベラの魔球を参考にしたものだった。

 「リベラの映像を見ています」と小川。左足を顔の前まで上げるノーラン・ライアンばりのフォームといい、研究熱心さが目立つ。身長は171センチ。投球に角度がつかない分、打者に近いところでバットの芯を外す技術を身につけた。本を読みあさり、好投手の映像を見てヒントを探し、誰にもまねできない個性的なスタイルを築き上げた。

 愛知・成章時代には21世紀枠でセンバツに出場し、同校に甲子園初勝利をもたらした。背の低さが「コンプレックスだった」が、頭を使い、人一倍練習してプロ入りの夢をかなえた。カットボールを生かすため、現在は対になるツーシームの習得にも取り組んでいる。1軍メンバーに入った春季キャンプに向け「しっかり準備したいです」。メジャー流投法でアピールする。