超大物助っ人は、やはり規格外だった。楽天の新外国人アンドリュー・ジョーンズ外野手(35=ヤンキース)が1日、沖縄・久米島で日本初キャンプに参加した。ウオーミングアップのジョギングでは1人出遅れ、開始13分で“リタイア”。恒例のシャトルラン(20メートルの持久走)も回避したが、星野監督は「雰囲気はある」と、歴代最強助っ人に風格を感じた様子。通算434本塁打のメジャーリーガーの本領発揮はこれからだ。

 これがメジャーリーガーの余裕!?

 ジョーンズは、ウオーミングアップのジョギングで最初から最後方にいた。15分間、球場の外野からホームベース付近までを周回するメニューで、10分過ぎから徐々に集団から後退。13分経過後の残り1周で“リタイア”した。苦しそうではなく、白い歯がこぼれていたが、続くシャトルランも回避し、一時離脱。報道陣がざわつき始めると、佐野周平通訳が「特に何でもないです。自分のペースで、ということです」と説明。周囲に安堵(あんど)の空気が漂った。

 全てマイペース調整だった。フリー打撃で52スイングで柵越えはゼロだったが「投手の球を見る期間が空いてしまっていた。バッティング自体は良かった」と前向き。引っ張るだけでなく広角に打ち分け、時折鋭いライナーも放った。「キャンプのリズムと流れをつかむことが大事」と余裕たっぷりだった。

 星野監督からの配慮もあった。「ケガをしないように、とにかくゆっくりでいいと言われたよ」とスロー調整を認められている。同監督は「まだどうこう言うのは早い」としつつ、「雰囲気はある。雰囲気は大事だから。見てみたいという気持ちは去年より数倍ある」と、早速胸を躍らせた。

 期待に応えるべく、ジョーンズも意欲十分だ。9、12、13日は紅白戦の予定で、「出てくれと言われたら、もちろん出る」とやる気。順調なら12日か13日にDHで打席に入る可能性もあり、「そういう状態まで上げていきたい」と話した。メジャー434発の超大物助っ人から今後も目が離せない。【斎藤庸裕】