井川が伝説を再現!?

 B組(2軍)で調整するオリックス井川慶投手(33)は宿舎から球場までの約10キロを自転車で通勤している。7年ぶりの日本キャンプに、高校時代に愛用した?

 アイテムを取り入れた。

 早出組のチームバスが出発する15分前。井川は自転車にまたがり、一足早く出発する。アンダーシャツに短パン姿、もちろんヘルメットも忘れない。片道約10キロを30分。「そんなにスピードは出さないよ。危ないからね」。途中でチームバスに抜かれるのが恒例になっている。

 ウエート室にはペダルをこぐマシンもあるが「外で走って帰ったほうが気持ちいい」との理由で、キャンプ2日目から自転車通勤にトライ。初日はホテルのレンタルサイクルで一般的な自転車、いわゆる「ママチャリ」にまたがった。見かねた宮古島に住む男性ファンが、本格的なロードバイクを貸してくれた。

 本業もスイスイ!?

 若手と一緒に走り込みをフルメニューで消化する。この日も400メートル走10本を走破した。「きついっすよ。タイムは全然達してないですけどね。走るの遅いので」。昨年10月に手術した左肘の状態も「いいですよ」。7日以降の第2クール中にもブルペンに入る。

 昨季は開幕直前、期待の移籍も2勝にとどまった。今年は開幕にはこだわらず、万全の状態で1軍を目指す。オリックスキャンプでは2日には石嶺打撃コーチが「キカイダーだよ」とトレード移籍した糸井の超人ぶりを特撮ヒーローに例えた。続いて現れた「チャリンダー」。井川が復活のペダルを踏む。【池本泰尚】

 ◆井川の自転車伝説

 水戸商での3年間、大洗町の自宅から学校のある水戸市まで片道約15キロの距離を自転車通学していた。当時からマイペースで朝寝坊することが多く、道のりのほとんどをサドルに座らない「立ちこぎ」で走破。その結果、強靱(きょうじん)な足腰を手に入れたという伝説が残っている。