二刀流に挑戦している日本ハムのドラフト1位大谷翔平投手(18=花巻東)に、「投手専念日」がつくられることが27日、分かった。この日予定されていたフリー打撃は、悪天候のため今日28日に順延された。今後は、来月10日からの教育リーグ本拠地4連戦(鎌ケ谷)で投手デビューすることが濃厚だが、首脳陣は、登板日には打席に立たせない方針。1試合の中での二刀流は、投打両面のレベルが上がり、しっかりと体が出来上がるまでは封印される。

 1軍打者相手の力試しは、お預けとなった。1軍合流後初めてフリー打撃に登板する予定だった大谷だが、悪天候のため今日28日のキャンプ最終日にスライドすることになった。この日はブルペンで20球の調整。「明日(28日)に向けて疲れないように、感覚だけ確かめました。やり残しがないようにしっかり投げたいです」。今キャンプの総仕上げとなる“登板”へ、気持ちとコンディションを作り直した。

 打者としてはすでに対外試合でスタメンフル出場を果たした大谷だが、投手としても、フリー打撃登板を機に次の段階へステップアップする。今後は3月10日ヤクルト戦から続く、千葉・鎌ケ谷での教育リーグ本拠地4連戦の中で投手デビューする見込みだが、栗山監督をはじめとする首脳陣は、実戦でマウンドに上がる日は、投手に専念させて1日限定“一刀流”として育てる方針だ。

 同監督の1番の理想は、先発マウンドから野手として守備位置に就く、もしくは野手として試合に出ながら最後はマウンドに上がる、という1試合の中での二刀流。だが肉体的にもハードになるため、投打両面のレベルが1軍の高い位置に上がるまでは封印し、当面は投手として出場する日は投手のみの出場に限って起用される。

 初めてのキャンプは、今日28日のフリー打撃登板で、打ち上げとなる。激しいトレーニングと投打両方のメニューをこなしながら、それでもキャンプイン時の体重87キロをキープ。「ちょっと落ちると思ったので、よかったです。順調にきています。あっという間に過ぎたなという感じ」。懐疑的な目を向けられることもあった二刀流挑戦だが、着実にステップを踏みながら、最初の1カ月が終わろうとしている。【本間翼】