<オープン戦:ソフトバンク3-11ロッテ>◇10日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンク柳田悠岐外野手(24)が気合の断髪式を行った。ロッテ戦で3打数無安打。この2連戦で6打数無安打、4三振とやや湿り始めた大砲は、居残り特打を終えるとバットを持ち替えた。「打てなかったら、しようと思っていました」。握ったのは、チームスタッフのバリカン。ロッカー室の床に新聞紙を広げ、頭をくりくりと丸めた。

 茶髪とおさらばし、広島経大2年以来の丸刈り。「マジ、バリ気持ちいいっす。黒髪、短髪は男の髪形って感じっす」。若者口調はそのままでも見た目すっきり。「打っても(丸刈りに)しようと思っていた」とキャップを用意していたのは照れ隠しだろう。7日DeNA戦で3三振すると「調子がいいかどうか自分でも分からなくなってきた。僕、プロじゃないっす」と弱音がちらり。明日12日オリックス戦からのビジター6試合に向けて本来の自分を取り戻すべく、文字通り頭のスイッチを切り替えた。

 特打で右足を早く上げつつ、体の開きを抑えたフォームを確認し、体の準備はできた。右左の違いこそあれ、引退した小久保氏から後継者を期待された和製大砲。こぢんまりしたスイングなどいらない。髪をバッサリやるような思い切りの良さで開幕へと仕上げるだけだ。【押谷謙爾】